ノートは、自分に向けたデザイン。
前回、授業中のノートについて書きました。
私が教員時代、生徒にノートを取ってほしいと思っていたのは、きれいなノートを作ってほしかったからではありません。
ただ聞いて終わるのではなく、聞きながら考えて、自分なりに情報を残してほしかったからです。

では、そのノートは誰のために書くのでしょう。
先生に提出するため?成績をつけてもらうため?
もちろん、学校ではそういう役割もあります。
でも、本来いちばん使う人は、未来の自分です。
「あれ、ここどうやるんだっけ?」
と思ったときに開いて、
「そうそう、こういうことだった」
と思い出せる。
だから私は、ノートもひとつの「デザイン」だと思っています。
デザインというと、きれいに飾ったり、おしゃれにしたりすることだと思われがちです。
でも、デザインで大切なのは、
誰に、何を、どう伝えるか。
ノートなら、「誰に」は自分です。
今日の自分が理解したことを、明日の自分、テスト前の自分、ちょっと忘れてしまった自分に伝える。
そう考えると、ノートの作り方も少し変わってきます。
全部を同じ大きさで書くより、大切なところを少し大きくする。
あとで探したいところには色をつける。
話が変わったら少し間をあける。
分からなかったところには「?」をつけておく。
これも全部、立派なデザインです。
反対に、何色ものペンを使って、とてもきれいにまとめたとしても、作ることに時間がかかりすぎたり、どこが大切なのか分からなくなったりしたら、ちょっともったいない。
ノートは作品ではありません。
自分が考えるため、そして未来の自分がもう一度理解するための道具です。
きざし塾でも、「きれいに書きなさい」ではなく、
「あとで自分が見たとき、分かるかな?」
という視点を大切にしたいと思っています。
ノートも、誰かに伝えるためのデザイン。
ただし、その「誰か」は自分です。


